神輿と獅子舞

「神輿」

ネットの情報によれば、神輿は、御輿とも書き「みこし」と読むが、音読みで「しんよ」という場合もある。
御(み)とは、神・天皇・宮廷などに属するものであることを表しており、神輿、御輿とも神幸のときに、
神さま(御神体・御霊代)が乗るとされる輿をいう。
 また、戦国時代には神輿を「かみ」と呼び、神輿に神体を移すと御神輿「おかみ」と呼んだとする説もある。

 神社の神輿は、祭礼の神さま(御神体・御霊代)が本社から御旅所へ渡御する神幸祭に使われる。渡御で
神輿は、氏子に担がれて町内を練り歩くが、それは神さまに町内を見ていただくためといわれている。渡御中
に神輿を上下左右に振り動かして荒々しく扱うことがあるが、これは「神輿振り」といわれ、神輿に御座されて
いる神さまの「魂振り」(たまふり)で、これにより神さまの霊威を高め、豊作や豊漁、疫病が退散するとされて
いる。また、海などに神輿を担ぎ入れることもあるが、これは一種の禊(みそぎ)神事と考えられている。
 
  町内御輿は、神社で神さまの分霊を移し氏子が各町内を隈なく渡御することにより、町内を神さまに見て
頂きご加護を頂くためといわれている。

 神輿の原型は、白鳳時代に始まったとされ、現在のような神輿になったのは戦国時代末期に京から技術
が伝えられた江戸で完成したとの説もある。
 
  神輿には、四角形・六角形・八角形などがあり、木製に黒や赤色の漆塗り、彫刻や金具、飾り綱、屋根の
上には鳳凰や宝珠・葱花を飾り、台輪を貫く2本の花棒を轅(ながえ、平行に出した2本の棒)とし、舁く(かく、
懸くと同源で物を二人以上で肩にかけて運ぶこと)のが一般的である。
 現存する最古の神輿は、鎌倉時代初期に造られた誉田八幡宮(大阪府)所蔵の神輿といわれている。

「獅子舞」

 日本での獅子舞の始まりは、16世紀初め、伊勢の国で飢饉〔ききん〕、疫病を追い払うために獅子頭を
作り、正月に獅子舞を舞わせたのが始まりといわれています。その後、17世紀に伊勢より江戸へ上り、悪魔
を払い、世を祝う縁起ものとして江戸に定着し、祝い事や祭り事で獅子舞いが行われるようになった。

  獅子舞が日本の各地に急速に広まったのは、室町時代から江戸時代の初期のころに、「江戸大神楽師
〔えどだいかぐらし〕」、「伊勢大神楽師〔いせだいかぐらし〕」と呼ばれる団体が全国を獅子舞を踊りながら
まわり、悪魔払いをしたのがきっかけであると言われている。

獅子舞の起源は、インド地方とされている。 インド地方の遊牧民や農耕民の信仰で神として崇められて
いたライオンを偶像化させた獅子舞が生まれ、宗教行事の一つになったことが始まりと考えられているようだ。
その後、チベット、中国、東南アジアへ伝搬。
 
   日本へは、中国、中国本土、朝鮮半島経由、東南アジア・台湾・琉球経由の三つのルートに分かれて伝え
れられた。その後、それぞれの地域の人々によって独自の舞い方が形成され、宗教的行事や地域のお祭り
に欠かせない郷土芸能として定着した。

日本の獅子舞には、大きく分けて伎楽〔ぎがく〕系と風流〔ふうりゅう〕系の二つの系統がある。

伎楽系
獅子の頭につけた胴幕の中に二人以上の人が入って舞う、「二人立ち獅子舞」が多く、これは大陸から
伎楽の一つとして伝来したもので伎楽系の獅子舞と言われています。本州中部以西の西南日本で多く見ら
れます。久谷地区の獅子舞はこれに属する。

風流系
関東・東北地方などで行われている鹿舞〔ししおどり〕と呼ばれるもので、鹿〔しし〕の頭をかぶり胸に太鼓を
付けた一人立ちの舞いで、太鼓を打ちながら踊るものです。

以下に久谷地区の神輿と獅子舞を紹介したい。写真は「久谷夢工房」田中睛さんに提供をいただいた。

「葛掛神社」

  

「勝山神社」
   獅子舞はなし

「金毘羅神社」

   


「正八幡神社」

   



「生目神社」

  

「諏訪神社」

  


「春日神社」

  獅子舞はなし


「大宮八幡神社」

  

「小村稲荷神社」

         獅子舞はなし

「竜神社」

   


「素鵞神社」

  獅子舞は未掲載


「徳川神社」

      

「三島神社」

    



「鉢合わせ」
 「鉢合わせ」という言葉は、偶然ばったり出会ったときに使う言葉で、思いがけず出遭うことである。
この「鉢」とは、植木鉢の鉢ではない。「鉢」とは頭のことである。
 もともと、僧侶が托鉢(たくはい)に持っていく丸い器は、仏教用語で「鉢多羅(パートラ)」といい、日本に
伝わった際、単に「鉢」と呼ぶようになった。さらに、丸い器である「鉢」の形が、人間の頭に似ていることから、
人間の頭や頭蓋骨の部分のことも鉢と呼ぶようになった。
頭と頭が合わさるということから、「鉢合わせ」である。ちなみに、運動会や祭りで頭に締める「鉢巻き
(はちまき)
」も、頭を鉢に例えて派生した言葉である。

 神輿の鉢合わせも偶然ばったりとなり地区の神輿と出会って何らかの拍子で鉢合わせをしたのがその
由来だろうか。

 中野町と津吉町の鉢合わせ

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